どうも、よでぃです。
皆様には、なにか“苦手なもの”ってありますか?
お化けが苦手、ヘビが苦手と、人によって様々なものがあげられることと思います。
では、僕の苦手なものは何かというと、『虫』です。
耳元で羽音を鳴らされたときには、この世の終わりかってくらい慌てふためくほど苦手です。
そんな僕の家に先日、あろうことか『蚊』の野郎が出没しやがったのですね。
そこで今回は、“虫嫌いの僕”と“一匹の蚊”を主演とした、出会いと別れの物語をお送りしていきたいと思います。
五月の蠅。六月の蚊。

20xx年、6月某日。
自宅にて、一人まったりとアニメ鑑賞に没頭していた僕のもとに、一匹の小さな悪魔が姿を現した。
そう、『蚊』である。
蚊とは、ヒトなどから血液を吸う吸血動物であり、英語名はmosquito(モスキート)。
何を隠そう、僕はこの蚊という生き物が“大の苦手”なのだ。
正確には虫全般が苦手なのだが、蚊は特に顔を合わせる機会が多いため、苦手意識が大きい。
僕はこの蚊に出くわしてしまったことにより、一人ニヤニヤしながら鑑賞していたアニメを、一時中断せざるを得なくなった。
「いやいや、そんなの無視してりゃいいじゃん。“虫”だけに(笑)」
なんてくだらないダジャレを心に思い浮かべた方も多いだろうが、そうはいかないから問題なのである。
なぜなら僕は無駄に聴覚が敏感で、かつ、いちど気になったものはとことん気になってしまう特性を持っているためだ。
蚊が飛ぶことによって奏でられる「ブーーーン」という羽音。
アニメに向けられていたはずの僕の集中力は、瞬く間にその不協和音に吸い寄せられていった。
それにしても、“虫”に“文”と書いて“蚊”という字を構成するとは、この漢字を考えた人は単純であり聡明だ。
「ブーーーン」という羽音を鳴らしながら飛ぶ虫。
それはまさしく、“蚊”そのものである。
ついでにいうと、“五月蠅い”と書いて“うるさい”と読むと決めた人も、なかなかにユーモアのある人間だと思う。
確かに、五月に出没し始める蠅も、うるさいったらこの上ない。
しかし五月の蠅と書いてうるさいと読むのなら、僕は“六月の蚊”と書いて“くそったれ”と読みたい。
僕の大切なアニメ鑑賞の時間を邪魔した“くそったれ”。
この恨み、晴らさでおくべきか。
小さな勇気の灯火
とはいえ、ここで冷静になって思考回路を働かせてみる。
この蚊という煩わしい生き物にも、“1つのかけがえのない命”が宿っているのである。
あんなにも小さな体一つで、毎日を必死になって生きながらえている。
そう考えると、この蚊という弱き生き物にも同情の念が湧くものだ。
僕は人生という修羅の道に絶望すら覚えていたほどだが、このちっぽけで懸命な虫を見ていると
「自分も頑張って毎日を生きよう」
と、勇気をもらえた気がした。
思い通りにいかない現実に生きづらさを感じながらも、ときに強く、ときに弱く。
一歩一歩着実に、人生を歩んでいこうと思う。
そんなこんなで、この小さな悪魔との小さな出会いが、僕の心に“小さな勇気の灯火”をともしたのであった。
そして先程「くそたっれ」なんて口にしてしまったことに謝罪の念を抱きながら、僕は渦巻き状に巻かれた緑色の蚊取り線香に、そっと小さな灯火をともした。
さいごに

最後までお読みいただきありがとうございます。
しかし蚊の羽音が耳元で急に聞こえたときって、本当にびっくりしますよね。サプライズ好きな女子なら喜ぶのでしょうか。
なにはともあれ皆さんの心にも、僕と同じように、ほんの少しでも生きる勇気を与えることができたのであれば幸いです。
ところで蚊取り線香って思ったよりもオシャレなんですよね。夏らしさを演出してくれます。
それでは、今回はこの辺で。

アディオス
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